障害認定日とは?初診日から1年6か月の数え方と例外・請求方法
この記事の最終更新日 2026年11月4日 文責: 社会保険労務士 大平一路
障害年金の障害認定日とは障害の状態を定める日のことで、原則は初診日から1年6か月を経過した日です。それより前に病気やけがが治った場合(症状が固定し、これ以上の改善が見込めない場合を含む)は、その日が障害認定日になります。障害認定日にどの程度の障害の状態にあるかによって、請求の方法や、いつの分から年金を受け取れるかが変わります。
- 障害認定日は原則「初診日から1年6か月を経過した日」
- 人工透析や人工関節など、1年6か月より前に障害認定日となる例外がある
- 障害認定日に障害等級に当てはまれば「認定日による請求」、当てはまらずその後に重くなった場合は「事後重症による請求」
- 障害認定日から時間がたっていても請求はできるが、さかのぼって受け取れるのは5年分まで
障害年金の制度全体は「障害年金の基礎知識」で説明しています。
障害認定日とは
障害認定日は障害年金を受け取れる障害の状態にあるかを判断する基準の日です。日本年金機構は障害認定日を「障害の状態を定める日」とし、初診日から1年6か月を経過した日、またはそれまでに傷病が治った場合(症状が固定した場合を含む)はその日としています(日本年金機構「障害認定日」)。
この考え方は障害基礎年金・障害厚生年金のどちらにも共通です(厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方 第12 障害年金」)。ただし、対象になる障害等級や、初診日が20歳前にある場合の扱いなどは異なります。
1年6か月の数え方
たとえば初診日が2025年4月10日で、それまでに症状の固定などがなければ、障害認定日は原則として2026年10月10日です。月末が初診日の場合など、日付の数え方に迷うときは、年金事務所で確認すると確実です。
起点になる初診日は、障害の原因となった病気やけがで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。同じ病気で転院した場合は、最初の医療機関を受診した日になります(日本年金機構「初診日」)。初診日の決まり方と調べ方は「障害年金の初診日とは?転院・健康診断での決まり方と調べ方・証明方法」にまとめています。
1年6か月を待たずに障害認定日になる例
次の場合は、表の日が初診日から1年6か月以内にあれば、その日が障害認定日になります。表の日が1年6か月より後になる場合は、原則どおり1年6か月を経過した日が障害認定日です。
| 障害の状態・治療 | 障害認定日 |
|---|---|
| 人工透析療法を受けている | 人工透析を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日 |
| 人工骨頭・人工関節を入れた | 挿入置換した日 |
| 心臓ペースメーカー・植込み型除細動器(ICD)・人工弁を装着した | 装着した日 |
| 人工肛門を造設した・尿路変更術を受けた | 造設日・手術日から起算して6か月を経過した日 |
| 新膀胱を造設した | 造設した日 |
| 喉頭を全摘出した | 全摘出した日 |
| 手足を切断・離断した | 原則として切断・離断した日(障害手当金は創面が治癒した日) |
| 在宅酸素療法を受けている | 開始した日 |
| 脳血管障害で手足に機能障害が残った | 初診日から6か月を経過した日以後に、医学的にそれ以上の機能回復がほとんど望めないと認められたとき |
| 遷延性植物状態 | その状態に至った日から起算して3か月を経過した日以後に、医学的に機能回復がほとんど望めないと認められたとき |
出典:人工透析から在宅酸素療法までは日本年金機構「障害認定日」、脳血管障害と遷延性植物状態は日本年金機構「障害認定基準」(脳血管障害は第3第1章第9節「神経系統の障害」、遷延性植物状態は第18節「その他の疾患による障害」)
脳血管障害は6か月たてば自動的に障害認定日になるわけではありません。医師が症状固定と判断していることが前提です。また、障害認定日が早まることと、障害等級に当てはまるかどうかは別の判断です。
障害認定日の状態で請求方法が変わる
障害認定日に障害等級に当てはまるかどうかで、請求の方法と年金を受け取れる時期が変わります。
| 請求の方法 | 当てはまる場合 | 年金の支給 |
|---|---|---|
| 認定日による請求 | 障害認定日に障害等級に当てはまる | 原則として障害認定日の翌月分から |
| 認定日による請求(障害認定日から1年以上たってから請求) | 同上 | 原則として障害認定日の翌月分から。ただし時効により5年分が限度 |
| 事後重症による請求 | 障害認定日には当てはまらず、その後65歳に達する日の前日までに当てはまった | 請求した月の翌月分から |
出典:厚生労働省「年金制度の仕組みと考え方 第12 障害年金」、日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日があり、障害認定日の後に20歳に達する場合は、20歳に達した日の翌月分からの支給になります(日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)。
認定日による請求では、原則として障害認定日以後3か月以内の現症を書いた診断書が必要です。障害認定日から1年以上たってから請求する場合は「遡及請求」と呼ばれることがあり、原則として障害認定日以後3か月以内のものと、請求日以前3か月以内のものの2枚の診断書が必要です(日本年金機構「かけはし 第84号」)。症状固定で障害認定日が決まる場合など、診断書の枚数には例外があります。何年も前の障害認定日にさかのぼって請求することはできますが、受け取れるのは時効により5年分までです。
事後重症による請求は65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。どの請求方法でも、それぞれの受給要件を確かめる必要があります。保険料の納付要件もその一つですが、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。納付要件は「障害年金の保険料納付要件とは?3分の2要件・直近1年要件と確認方法」にまとめています。
障害認定日がいつになるか、ご自身がどの請求方法に当たるかが分からない方は、「1分受給判定」をご利用ください。
初診日が20歳前にある場合
20歳前で、年金制度に加入していない期間に初診日がある病気やけがでは、障害認定日と20歳に達した日のいずれか遅い日に、障害基礎年金の1級・2級に当てはまるかを判断します(日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)。20歳に達した日とは20歳の誕生日の前日です。
たとえば高校生のときに初診日があり、20歳になる前に1年6か月を過ぎていれば、判断の基準は20歳に達した日になります。この場合は診断書の対象になる時期も通常と異なるため、年金事務所などで確認してください。なお、20歳前でも会社に勤めて厚生年金に加入している間に初診日がある場合は、この扱いではなく、通常の障害認定日で考えます。
よくある質問
初診日から1年6か月たたないと請求できませんか?
原則として、障害認定日である1年6か月を経過した日以後に請求します。ただし、人工透析、人工関節、ペースメーカー、在宅酸素療法など、上の表に示した日が初診日から1年6か月以内にある場合は、その日が障害認定日になります。症状が固定したと医師が判断した場合も、その日が障害認定日になることがあります。
障害認定日の頃に病院にかかっていなかった場合はどうなりますか?
認定日による請求では、原則として障害認定日以後3か月以内の状態を書いた診断書が必要です(20歳前に初診日がある場合などは対象の時期が異なります)。この時期に受診しておらず診断書を用意できない場合は、認定日による請求が難しくなります。その場合でも、年齢などの受給要件を満たし、現在の状態で障害等級に当てはまれば、事後重症による請求を検討できます。請求は65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。
障害認定日から何年もたっていても請求できますか?
できます。障害認定日に障害等級に当てはまっていたことを診断書で示せれば、認定日による請求ができます。ただし、さかのぼって受け取れる年金は時効により5年分までです。
障害認定日を過ぎてから症状が重くなった場合は?
障害認定日に障害等級に当てはまらなくても、その後65歳に達する日の前日までに当てはまれば、事後重症による請求ができます。請求は65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。年金は請求した月の翌月分からの支給になるため、当てはまると考えられる段階で早めに請求することが大切です。
確認日:2026年11月4日(制度の内容は、各出典の掲載内容にもとづきます)
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投稿者プロフィール
- 社会保険労務士
- 親族に知的障害を持つ者がおり、障害年金が家族の生活を支える大きな力になることを身近に実感してきました。複雑な手続きにハードルを感じる方々の力になりたいという想いから、当センターを設立しました。 専門家として一人ひとりの状況を丁寧に伺い、スムーズな受給に向けて全力でサポートいたします。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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