障害年金が不支給になる主な理由|通知の理由を確かめる方法
この記事の最終更新日 2026年11月3日 文責: 社会保険労務士 大平一路
障害年金が不支給になる理由は、受給の要件である「初診日」「保険料の納付」「障害の状態」のうち、どれを満たしていないと判断されたかによって分かれます。自分の場合の理由を知るには、まず届いた通知書の記載を確認し、分からないときは請求した年金事務所に問い合わせます。
このページでは、要件ごとに何が判断の材料になるのかと、不支給の理由を確かめる方法をまとめています。
不支給の理由は3つの要件のどれに当たるかで分かれる
日本年金機構が示す障害年金の主な受給要件は、次の3つです。障害基礎年金と障害厚生年金では、初診日の要件と対象になる等級が異なります。
| 要件 | 主な内容 | 判断に使われるもの |
|---|---|---|
| 初診日 | 障害の原因となった病気やけがの初診日が、決められた期間にあること | 受診状況等証明書など、初診日を確認できる資料 |
| 保険料の納付 | 初診日の前日の時点で、決められた期間の保険料を納めているか、免除を受けていること | 年金の加入・納付の記録 |
| 障害の状態 | 決められた時点の障害の状態が、障害等級表の等級に該当していること。どの時点で判断するかは請求の方法などで異なる | 診断書や検査結果などの添付資料 |
初診日の要件
障害基礎年金では、初診日が国民年金の加入期間にあるか、20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間にあることが必要です。障害厚生年金では、厚生年金保険の被保険者である間に初診日があることが必要です。
初診の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合は、初診日を確認するために「受診状況等証明書」を提出します。障害認定基準では、原則として本人の申立てや記憶にもとづく受診証明だけでは判断せず、必ずその裏付けとなる資料を集めるとされています。
初診日に関わる理由には提出した資料で初診日を確認できなかった場合と、確認された初診日が要件の期間から外れていると判断された場合があります。どちらに当たるかで次に確かめることが変わるため、通知書の記載や年金事務所への問い合わせで、どちらの理由かを確認します。
保険料納付要件
原則として、初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あることが必要です。
ただし、初診日が令和18年3月末日までにあり、初診日に65歳未満であれば、初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいとされています。
なお、20歳前で年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
障害の状態の要件
障害基礎年金は1級または2級、障害厚生年金は1級から3級のいずれかに該当していることが必要です。どの時点の状態で判断するかは、請求の方法などによって異なります。
- 障害認定日による請求では、障害認定日の状態で判断されます。障害基礎年金で、障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日の状態で判断されます。
- 事後重症による請求は、障害認定日に障害の状態に該当しなかった方でも、その後症状が悪化して障害の状態になったときにできる請求です。請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。
障害の程度の認定は診断書とX線フィルムなどの添付資料によって行われます。病歴・就労状況等申立書は障害の状態を確認するための補足資料です。提出された診断書などだけでは認定が難しい場合や、傷病名と症状・日常生活の状況などの間に食い違いがある場合は、再診断や調査をしたうえで認定するとされています。
等級ごとの障害の程度の考え方は障害認定基準に定められており、眼や聴覚、精神など障害の種類ごとの認定基準も示されています。精神の障害と知的障害については、障害認定基準にもとづく認定を適正に行うための「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」も示されています。
自分の不支給の理由を確かめる方法
自分の不支給がどの要件に関わるのかは、次の順に確かめます。
- 届いた通知書を読み、理由が書かれていれば、それがどの要件に関わるかを確認します。
- 理由が分からないときは、請求した年金事務所に問い合わせます。
- 提出した書類の控えがあれば、理由として示された要件に関わる記載(初診日、加入・納付の状況、診断書の内容と、どの時点の状態を書いたものか)と照らし合わせます。
理由が分かったら、その理由に合う手続きを検討します。決定に不服があるときの審査請求は、決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行う必要があります。審査請求や、あらためて請求する方法については、「障害年金の不支給・更新・審査請求ガイド」で状況別にまとめています。
通知の理由の読み取りや、次の手続きの判断に迷う場合は、大阪障害年金サポートセンターの無料相談もご利用いただけます。
よくある質問
保険料納付要件の特例は、いつまで使えますか?
日本年金機構によると、初診日が令和18年3月末日までにあり、初診日に65歳未満であれば、初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいとされています。初診日がこの期間から外れる場合や、初診日に65歳以上の場合は、原則の3分の2以上の要件で判断されます。
障害厚生年金は3級からあるのに、障害基礎年金で不支給になるのはなぜですか?
対象になる等級が違うためです。障害厚生年金は1級から3級、障害基礎年金は1級と2級が対象です。初診日に加入していた制度によって、どちらの年金の要件で判断されるかが変わります。
この記事で確認した情報
このページの制度に関する内容は、2026年11月2日に次の公的機関のページで確認しました。
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」
- 日本年金機構「障害厚生年金を受けられるとき」
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」(第2 障害認定に当たっての基本的事項、第3 障害認定に当たっての基準)
- 日本年金機構「『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』等」
- 近畿厚生局「審査請求に関するよくあるご質問(制度編)」
- 日本年金機構「年金の決定に不服があるとき(審査請求)」
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投稿者プロフィール
- 社会保険労務士
- 親族に知的障害を持つ者がおり、障害年金が家族の生活を支える大きな力になることを身近に実感してきました。複雑な手続きにハードルを感じる方々の力になりたいという想いから、当センターを設立しました。 専門家として一人ひとりの状況を丁寧に伺い、スムーズな受給に向けて全力でサポートいたします。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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