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年金保険料未納について

この記事の最終更新日 2021年11月10日 文責: 社会保険労務士 大平一路

質問

原則に従って20歳から国民年金に加入していますが、1年前より未納状態です。4年前に肝炎を患い初めて受診し、現在では肝臓がんに進行しています。国民年金保険料が滞納状態であっても障害年金を請求することは可能でしょうか。

答え

現在、年金保険料の未納大きな社会問題として取り上げられています。

「年金=将来の老齢年金」と考える人が大半を占めているといった現状ですが、障害年金にも大きく関わる問題です。早い段階で自身が障害年金を受給することは誰しも想定しがたい部分ですが、一定の未納状態が続くと、障害年金の受給が不可能になる可能性があるため、重大な問題となってしまいます。

重要ポイントとして、障害年金の請求可・不可は、現在の保険料納付状況ではなく初診日時点の保険料納付状況によって決まります。

具体的には、初診日の前日の時点において、初診日の属する月の前々月までの公的年金制度に加入すべき全期間のうち、その3分の2以上の期間が保険料納付期間か保険料免除期間で満たされていれば請求可能です。

またそうでない場合は、平成28年3月31日までの特例(平成3年5月1日以降に初診があるときのみ)で、初診日の属する月の前々月からさかのぼった1年間が未納なしの状態であれば請求は可能です。相談者の場合、初診日前の保険料納付要件を満たしていると見られるので、年金請求は可能です。

なお、経済的な余裕がないという理由により保険料を払えないといったような場合、保険料免除申請の手続きをすると、支給要件における納付済み期間としてカウントされます。また一部免除の場合は、減額された保険料を納付すると納付済み期間としてカウントされます。

何らかの事情で保険料の納付が困難になることもありますが、その場合であっても未納状態を続けずに、免除や納付特例を申請しておいた方が賢明です。

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