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生活保護と障害年金は両方もらえる?併用時の調整・遡及受給の注意点


この記事の最終更新日 2026年10月20日 文責: 社会保険労務士 大平一路

生活保護と障害年金は、併用できる場合があります。

ただし、障害年金と生活保護費がそのまま満額ずつ上乗せされるわけではありません。障害年金は原則として収入に含まれ、世帯の最低生活費に足りない部分が保護費として支給されます。[1]

「生活保護を受けていると障害年金は申請できないのでは」「年金が決まったら保護がすぐに終わるのでは」と不安な方もいらっしゃると思います。申請の可否と、生活保護費の調整は分けて考えることが大切です。この記事では、受け取り方と申請前の確認事項を整理します。

1.併用すると、生活保護費はどう変わる?

生活保護は世帯単位で判断されます。年金や就労収入などを収入として認定し、世帯ごとに算定した最低生活費との差額を支給する仕組みです。年金を受け取っても、収入が最低生活費に届かなければ、生活保護を併用できる場合があります。[1]

01

最低生活費を確認

地域、年齢、世帯構成、住居や障害の状況などを踏まえ、福祉事務所が算定します。

02

年金などを収入認定

障害年金も原則として収入に含めて、生活保護費を計算します。

03

不足する分を保護費で補う

最低生活費から認定された収入を差し引いた部分が保護費となります。

計算の考え方を示す仮の例(実際の支給額ではありません)
項目年金を受け取る前年金を受け取った後
最低生活費(仮定)月13万円月13万円
障害年金(月額換算・仮定)0円月7万円
生活保護費(概算)月13万円月6万円
合計月13万円月13万円

この例は「他の収入はなく、最低生活費も変わらない」という仮定です。障害者加算の対象となるか、世帯の収入や状況が変わるかによって計算は異なります。医療扶助などの扱いも含め、「総額は必ず同じ」「年金が決まると必ず保護が終わる」とは言い切れません。[1]

2.生活保護中でも障害年金を申請できます

生活保護を受けていること自体が、障害年金を請求できない理由になるわけではありません。生活保護では、受給できる年金等がある場合には、まずその制度を活用することとされています。[1]

障害年金の要件は、生活保護と別に確認します

  • 初診日:障害の原因となった病気やけがで、初めて医師等の診療を受けた日はいつか。
  • 加入制度:初診日に国民年金・厚生年金など、どの制度の対象だったか。
  • 保険料納付:初診日の前日時点で、所定の納付要件を満たしているか。
  • 障害の状態:障害認定日、またはその後の状態が対象となる等級に該当するか。

障害厚生年金では初診日、障害状態、保険料納付の要件を確認します。20歳前の年金制度未加入期間に初診日がある場合など、要件の扱いが異なるケースもあります。生活保護を受け始めた日ではなく、傷病の初診日から確認しましょう。[2]

先に「受給後の手取り」と「費用」を確認しましょう

障害年金の受給が決まっても、そのまま自由に使えるお金が増えるとは限りません。診断書の作成費用や申請代行の報酬が生じる場合は、費用の扱いも含め、契約や支払いの前に担当ケースワーカーへ確認してください。費用が保護費の返還額から当然に差し引かれるとは考えないことが大切です。

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障害年金の初診日・加入制度・必要書類についてご相談いただけます。生活保護費の調整や返還額は福祉事務所の判断になるため、担当ケースワーカーにもあわせてご確認ください。

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3.遡って年金を受け取る場合は、返還に注意

障害年金が過去の期間に遡って支払われ、その期間に生活保護も受けていた場合、生活保護法第63条に基づく保護費の返還が必要になることがあります。返還額は受給した年金の全額と一律に決まるものではなく、対象期間や支給された保護費等を踏まえて実施機関が判断します。[3]

01

申請前

生活保護中であることを相談先に伝え、ケースワーカーにも年金請求の予定を共有します。

02

支給決定後

年金証書・支給額・対象期間・初回振込予定などを福祉事務所へ報告します。

03

入金後

返還の有無・金額・支払方法が確認できるまで、遡及分を自己判断で使い切らないようにします。

関連:障害年金の遡及請求とは?条件と必要書類を見る

4.相談から申請までの流れ

  • 担当ケースワーカーへ、障害年金の請求を検討していることを伝える。
  • 初診日・受診した医療機関・年金加入歴が分かる情報を整理する。
  • 年金事務所等で受給要件や必要書類を確認する。申請代行を依頼する場合は費用も確認する。
  • 医療機関に必要な診断書等を依頼し、年金の請求手続きを進める。
  • 結果が届いたら福祉事務所へ報告し、保護費の変更や返還の要否を確認する。

生活保護は、親族がいることや働いていることだけで一律に対象外になる制度ではありません。資産や能力等の活用状況、世帯収入と最低生活費の関係などから判断されます。生活保護そのものの相談は、お住まいの地域を担当する福祉事務所へお問い合わせください。[1]

5.よくある質問

Q.障害年金を受け取ると、生活保護はすぐに廃止されますか?

A.必ず廃止されるわけではありません。年金等の収入と世帯の最低生活費などを踏まえて判断されます。収入が不足する場合は、併用できる可能性があります。

Q.生活保護を受けていることは、年金の相談時に伝えた方がよいですか?

A.はい。遡及受給や費用負担に関わるため、最初に伝えてください。ケースワーカーとの確認事項も整理しやすくなります。

Q.年金を申請する前に、生活保護をやめる必要がありますか?

A.自己判断でやめる必要はありません。申請中や受給決定後の扱いは、担当ケースワーカーへ確認しながら進めてください。

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運営:セントラル社会保険労務士法人。受給の可否・等級は、提出書類に基づく審査によって決まります。

参考資料・出典

制度説明は以下の公的資料に基づいています(確認日:2026年10月19日)。

1分間受給判定

    お名前
    現在の年齢
     ※65歳以上は一度年金事務所にご相談ください
    調子が悪くなり始めたのは何歳頃ですか?
    調子が悪くなり、初めて病院にいった時期に加入していた年金の種類は?
    傷病名
    具体的な症状
    現在、仕事をしていますか?
    フルタイム勤務パート・アルバイト障害者雇用働いていない
    お住まい
    家族構成
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    投稿者プロフィール

    大平 一路社会保険労務士
    親族に知的障害を持つ者がおり、障害年金が家族の生活を支える大きな力になることを身近に実感してきました。複雑な手続きにハードルを感じる方々の力になりたいという想いから、当センターを設立しました。 専門家として一人ひとりの状況を丁寧に伺い、スムーズな受給に向けて全力でサポートいたします。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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