障害手当金について
この記事の最終更新日 2021年11月10日 文責: 社会保険労務士 大平一路
質問
先日、事故で左手の中指を失ってしまいました。厚生年金加入中の障害の傷病の程度が軽い場合、障害年金ではなく障害手当金という制度が適用されると聞きましたが、障害手当金とはどのような制度なのでしょうか。
答え
障害手当金とは、病気やケガで障害者となった際に、障害の程度が軽い場合に一時金としてもらえる制度のことです。これは障害厚生年金制度にのみある制度です。
さて、この障害手当金の受給できるかどうかの可・不可に関しては、次の5つの要件に該当するかどうかで決まります。
1.厚生年金保険の加入中に初診日があること
原則として、初診日時点において厚生年金保険に加入している必要があります。
つまり、民間の会社やお店などに勤めている間に初めて受診した病気やケガが対象となります。
2.初診日から5年経過の間にその病気やケガが治っていること
初診日から5年経過しても完治しない病気やケガについてはこの障害手当金は請求することができません。病気やケガが治った場合にのみ、請求することができます。
3.病気やケガが治った時に一定の障害の状態にあること
障害手当金がもらえるかどうかは、治った状態次第で決まります。つまり、障害認定基準の障害手当金に該当する程度の症状かどうかということが判断基準となるわけです。
この認定基準は、厚生年金保険法施行令の別表第二に定められています。別表第二には全部で22の症状が規定されていますが、15号目に「一上肢のひとさし指を失ったもの」があります。
4.一定期間以上の保険料納付があること
初診日の前々月まで年金加入期間(被保険者期間)のうち、滞納期間が3分の1未満ならば、障害手当金の請求ができます。
5.病気やケガが治ってから5年以内に請求すること
障害手当金についても、他の制度と同様に、自分自身で請求しないと受給することはできません。
障害手当金の請求は5年の時効がありますので、注意しましょう。
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投稿者プロフィール
- 社会保険労務士
- 私がこの障害年金サポートセンターを設立した背景に、身近な方の存在が大きく影響しています。私の親族に重度の知的障害をもつ方がおります。 働き手であるお父様を亡くされた後、残されたその方とお母様の生活は障害年金によって大きく支えられていました。 障害年金という制度が障害のあるご家族を持つ家庭にとって、経済的な支えになっていることを身近に感じました。
このような経験を通じて私は「障害年金の申請サポートが社会にとって非常に重要なものである」ことを痛感しました。
障害があるため、日々生活を送ること自体が難しい中、複雑な手続きや細かいルールを把握し、 それに対応していくことは容易なことではありません。
そのような中でサポートの手が差し伸べられれば、きっと大きな安心につながるはずと考えたのです。
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