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人工弁で障害年金はもらえる?原則3級・初診日・申請時期を解説


この記事の最終更新日 2026年10月20日 文責: 社会保険労務士 大平一路

人工弁の装着は、障害年金で原則3級相当です。

ただし、人工弁を装着したすべての方が、自動的に年金を受け取れるわけではありません。3級のある障害厚生年金に該当するか、初診日や保険料納付の要件を満たすかを確認します。[1][2]

「仕事に復帰したから対象外だと思っていた」「手術から1年6か月待たないと申請できないと思っていた」。人工弁で障害年金を検討するときは、現在の就労状況だけではなく、心疾患の初診日と人工弁を装着した日を整理することが大切です。

1.最初の確認は「手術日の加入制度」ではなく「初診日」

初診日とは、障害の原因になった病気やけがで、初めて医師等の診療を受けた日です。人工弁の手術を受けた日や、手術を受ける病院へ初めて行った日と、必ずしも同じではありません。前の病院で診療を受けていた場合は、その受診歴から確認します。[2][3]

初診日により異なる年金の種類[1][2]
初診日の状況対象となる年金・等級人工弁で確認する点
厚生年金に加入障害厚生年金:1~3級原則3級相当の人工弁装着が対象となり得ます。納付要件等も必要です。
国民年金加入・20歳前の未加入期間など障害基礎年金:1・2級3級はありません。人工弁装着だけでなく、1・2級に該当する状態かを確認します。

退職後に手術を受けた方でも、原因となった心疾患の初診日が厚生年金加入中であれば、障害厚生年金の対象となる可能性があります。反対に、手術時に会社員でも、初診日が別の制度の期間にあれば、その初診日を基に判断します。[2]

保険料納付要件も確認が必要です

原則は、初診日の前日において、初診月の前々月までの加入期間のうち、納付済期間と免除期間等が3分の2以上あることが必要です。初診日が2036年3月31日までで、初診日に65歳未満の場合は、直近1年間に未納がない特例もあります。20歳前の年金未加入期間に初診日がある場合などは扱いが異なります。[2]

2.人工弁を装着したら、いつから請求できる?

原則の障害認定日は、初診日から1年6か月を経過した日です。ただし、人工弁をその前に装着した場合は、装着した日が障害認定日となります。したがって、常に1年6か月待たなければならないわけではありません。[3]

01

1年6か月以内に装着

人工弁を装着した日が障害認定日となる特例を確認します。

02

1年6か月を超えて装着

障害認定日を手術日に置き換える特例ではありません。認定日と、その後に重くなった時点を分けて確認します。

初診日から1年6か月を過ぎて手術を受けた場合、認定日時点の状態による請求が可能か、事後重症による請求になるかなどを検討します。受給開始月は請求方法で異なるため、「人工弁ならいつ手術しても、その翌月分から必ず受け取れる」とは限りません。[2][3]

手術から時間が経っている方は、障害年金の遡及請求の仕組みもあわせてご覧ください。

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人工弁の手術後、障害年金の申請をしていない方へ

初めて心臓の症状で受診した時期、当時の勤務状況、人工弁を装着した日が分かると、確認すべき要件を整理しやすくなります。まずは分かる範囲でご相談ください。

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3.「原則3級」と、2級以上の認定について

障害認定基準では、人工弁を装着した状態が3級の例として示されています。複数の人工弁を装着している場合も、個数だけで等級が上がるのではなく、原則3級相当とされています。[1]

術後も心不全の症状等が続く場合は、臨床所見、検査成績、一般状態などから、2級以上に該当する可能性があります。2級の例には、人工弁装着術後6か月以上経過しても所定の臨床所見・異常検査所見があり、日常生活等の状態が基準に該当する場合が示されています。「息切れがある」だけで等級を決めることはできません。[1]

働いていても受給できる場合があります

人工弁装着による原則3級の扱いでは、働いていることだけを理由に直ちに対象外となるわけではありません。障害厚生年金では、給与があることと、人工弁装着等による障害認定を分けて確認します。ただし、初診日や納付要件等は別に満たす必要があります。[1][2]

受け取れる金額は一律ではありません

障害厚生年金3級の年金額は、加入中の報酬等を基に計算される報酬比例の年金額です。最低保障額は年度や生年月日で異なります。ご自身の見込額は年金記録等を踏まえて確認してください。最新の金額は日本年金機構の年金額の案内で確認できます。[2]

4.人工弁と、弁形成術で使う「人工弁輪」は別です

人工弁には機械弁や生体弁があります。一方、弁形成術で使用する人工弁輪は人工弁とは異なるため、人工弁装着の特例と同じ扱いにはなりません。手術名が似ていても、実際の術式や装着したものを確認する必要があります。[4]

人工弁と人工弁輪の違い[1][4]
手術・装着したもの年金を検討するときのポイント
人工弁の装着原則3級相当。初診日の制度・納付要件・認定日等を確認。
弁形成術で使用した人工弁輪人工弁装着と同じ特例には該当しません。心疾患の症状・検査所見・生活等の状態で検討。

術式が分からないときは

退院時の説明書類、手術の記録、主治医の説明などで確認しましょう。「人工弁輪だから年金は絶対に対象外」と判断するのではなく、心疾患全体の状態に基づく受給の可能性を確認します。

5.申請前のチェックとよくある質問

  • 初診の医療機関・受診した時期は分かりますか。
  • 初診日の年金加入制度・保険料納付状況を確認しましたか。
  • 手術日、術式、人工弁の種類が分かる資料はありますか。
  • 現在の通院先、症状、検査結果、生活や仕事への影響を整理していますか。

すべての資料を自分で揃えてからでないと相談できない、ということではありません。循環器疾患用の診断書など、必要な様式と証明する時期を確認してから医療機関へ依頼すると、取り直しを防ぎやすくなります。[4]

Q.手術から何年も経っています。今から相談できますか?

A.はい。初診日、装着日、当時と現在の記録を基に、認定日請求や事後重症請求等を確認します。遡及できる期間には時効があるため、まず要件と請求方法を確認してください。

Q.人工弁が2つあれば、2級になりますか?

A.人工弁の個数だけでは決まりません。複数装着でも原則3級相当とされ、術後の心疾患の状態等によって上位の等級を検討します。

Q.退職後に人工弁の手術を受けました。厚生年金の対象外ですか?

A.手術時点だけでは判断できません。原因となった心疾患の初診日が厚生年金加入中であれば、障害厚生年金の対象となる可能性があります。

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初診日の加入制度と人工弁の装着時期を整理し、受給要件と申請の進め方を確認しましょう。人工弁についての初回相談は無料です。

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運営:セントラル社会保険労務士法人。受給の可否・等級は、提出書類に基づく審査によって決まります。

参考資料・出典

制度説明は以下の公的資料に基づいています(確認日:2026年10月19日)。

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    投稿者プロフィール

    大平 一路社会保険労務士
    親族に知的障害を持つ者がおり、障害年金が家族の生活を支える大きな力になることを身近に実感してきました。複雑な手続きにハードルを感じる方々の力になりたいという想いから、当センターを設立しました。 専門家として一人ひとりの状況を丁寧に伺い、スムーズな受給に向けて全力でサポートいたします。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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