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ADHD・発達障害は障害年金の対象になりますか?受給要件と等級・申請の注意点も解説

この記事の最終更新日 2026年6月23日 文責: 社会保険労務士 大平一路

1. 発達障害・ADHDは障害年金の対象になる?

ADHD(注意欠如・多動性障害)をはじめとする発達障害も、障害年金の対象です。 発達障害が原因で日常生活や就労に支障がある場合は、障害者手帳の有無にかかわらず受給できる可能性があります。

ADHDには、細かい点に注意を払うことや注意を持続させることが難しいといった症状があります。そのため、人と話していても集中が続かず内容を理解できない、仕事を途中で辞めてしまう、頻繁に物を紛失するなど、仕事や日常生活に影響が出てしまうことがあります。こうしたことがストレスとなり、うつ病などの精神疾患を併発することもあります。

このページでは、発達障害(ADHD)で障害年金を受給するための条件・障害等級・申請時の注意点を、実際の受給事例とあわせて解説します。

2. 障害年金の種類(障害基礎年金・障害厚生年金)

障害年金は、その傷病で初めて医療機関を受診した日(初診日)に、どの年金制度に加入していたかで種類が変わります。

種類対象となる方(初診日時点)受給できる等級
障害基礎年金無職・学生・会社員の配偶者など国民年金に加入していた方、または20歳前の方1級・2級
障害厚生年金会社員などで社会保険(厚生年金)に加入していた方1級・2級・3級

1級が最も重い等級です。厚生年金には3級があるため、基礎年金に比べて軽い症状でも受給できる可能性が高くなります。

初診日に加入していた年金制度は?
国民年金・20歳前自営業・学生・専業主婦(夫)など
障害基礎年金
1級2級

厚生年金会社員・公務員など
障害厚生年金
1級2級3級

3級は障害厚生年金のみ。基礎年金より軽い症状でも受給できる可能性があります。

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3. 発達障害の初診日はいつになる?

発達障害は先天的な傷病と言われていますが、初診日はあくまで「発達障害の症状で初めて受診した日」です。

知的障害の場合は生年月日が初診日になりますが、発達障害は同じ先天的なものであっても、通常の傷病と同様に「初めて受診した日」が初診日となります。その日に社会保険(厚生年金)に加入していれば、障害厚生年金の対象になります。

▶初診日についてのQ&Aはコチラ

▶初診日に学生だった場合についてのQ&Aはコチラ

さて、ご質問をいただいた方は、初めて病院に行った日に会社でお勤めだったとの事ですので、障害厚生年金の対象となり、障害等級の1級から3級に該当していれば受給できる事になります。

4. 障害等級の基準(1級・2級・3級)

等級については、労働や日常生活にどのような不自由があるのかを、診断書等で判断される事になるのですが、要件の概要は下記の通りとなります。

軽い重い
3級
働くことが大きく制限される状態厚生年金のみ
社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの

2級
日常生活にも援助が必要となる状態
社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの

1級
常に介助が必要な状態
社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの

2級の事例①うつ病・ADHDで障害厚生年金2級を受給できたケース
2級の事例②軽度知的障害・ADHDで障害基礎年金2級を受給できたケース
3級の事例:ADHDで障害厚生年金3級を受給できたケース

3級は働くことが大きく制限される状態、2級は日常生活にも援助が必要となる状態、1級は常に介助が必要な状態と考えると分かりやすいと思います。

5. 日常生活能力の判定(7つの項目)

障害等級の判断では、日常生活能力が重視されます。次の7つの場面について、

  • 1人でできるのか
  • 概ねできるのか
  • 支援がなければできないのか
  • 全くできないのか

を評価します。

すべて「1人暮らし」を想定して評価します家族の援助がない場合にどうなるかで判断する点に注意。

適切な食事が摂れるか
身辺の清潔を保てるか
金銭管理と買い物ができるか
通院と服薬ができるか
他人との意思伝達・対人関係
身辺の安全保持・危機対応
社会生活に必要な手続き

各項目を4段階で評価

1人でできる概ねできる支援がなければできない全くできない

7つの項目は下記のとおりです。

日常生活能力の判定の7項目

・適切な食事が採れるのか?
・入浴や洗面、掃除等、身辺の清潔保持が出来るのか?
・金銭管理と買い物ができるのか?
・通院と服薬は適切にできるのか?
・他人との意思伝達および対人関係
・身辺の安全保持や危機対応はできるのか?
・公共施設の利用等の社会生活に必要な手続きができるのか?

注意点としましては、それぞれの項目の判断については、あくまで「1人暮らし」を想定して評価いただくということです。例えば、食事については家族が準備しており、それを食べている場合、適切な食事が採れているとして「できる」と判断するのではなく、家族がおらず、1人で暮らしている場合、自分で食事を準備する、または外食するといったことが出来るかを判断することになります。

食事に限らず、清潔保持や買い物といった項目につきましても、家族が全て行っている場合に「できる」と判断するのではなく、家族が何も援助してくれない場合にどのような状態になるのかを判断していただくという点にご注意ください。

障害等級の目安(「日常生活能力の判定」平均 × 「程度」)
判定平均 \ 程度(5)(4)(3)(2)(1)
3.5以上1級1級/2級
3.0〜3.5未満1級/2級2級2級
2.5〜3.0未満2級2級/3級
2.0〜2.5未満2級2級/3級3級/非該当
1.5〜2.0未満3級3級/非該当
1.5未満非該当非該当
1級2級3級非該当

※障害基礎年金では「3級」は「2級非該当(不支給)」と読み替えます。等級はあくまで目安で、診断書の他の記載を含め総合的に判断されます。

6. 働いていても障害年金は受給できる?

受給できる場合があります。 「働いていると障害年金はもらえないのか」というご質問をよくいただきますが、そのようなことはありません。

ADHDの症状によって労働が制限され、障害者雇用で就労している場合や、通常の従業員と異なり会社から様々な配慮を受けている場合など、働きながら障害年金を受給できたケースは数多くあります。

申請の際は、日常生活だけでなく就労の状況についても現在の状態がしっかり伝わるよう、書類を丁寧に作成することが大切です。

7. 障害者手帳と障害年金の関係

「障害者手帳の3級を取得できたので、障害年金も3級になりますか?」というご質問もよくいただきます。

市町村に申請する障害者手帳と障害年金は別の制度です。3級の手帳を取得できても、障害年金に該当するとは限りませんのでご注意ください。逆に、障害者手帳がなくても障害年金は申請できます。

8. よくある質問(FAQ)

Q. ADHDでも障害年金はもらえますか?

A. もらえる可能性があります。ADHDが原因で日常生活や就労に支障がある場合は対象です。

Q. 働いていると障害年金は受給できませんか?

A. 受給できる場合があります。障害者雇用での就労や、会社から配慮を受けて働いている場合など、就労しながら受給できた事例も数多くあります。

Q. 障害者手帳がないと申請できませんか?

A. 手帳がなくても申請できます。障害者手帳と障害年金は別の制度です。

Q. 障害者手帳が3級なら、障害年金も3級になりますか?

A. なるとは限りません。手帳と障害年金は別制度のため、等級は連動しません。

Q. 発達障害の初診日はいつになりますか?

A. 発達障害の症状で初めて受診した日です(知的障害の場合は生年月日が初診日になります)。

当センターでは、障害年金の申請についての無料相談を行っておりますので、お気軽にお申し込みください。

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最後までご覧いただき、ありがとうございました。

こちらのページをご覧頂けた方は障害年金が多くの方がもらえる可能性がある年金だということがお分かりになったかと思います。
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      投稿者プロフィール

      大平 一路社会保険労務士
      親族に知的障害を持つ者がおり、障害年金が家族の生活を支える大きな力になることを身近に実感してきました。複雑な手続きにハードルを感じる方々の力になりたいという想いから、当センターを設立しました。 専門家として一人ひとりの状況を丁寧に伺い、スムーズな受給に向けて全力でサポートいたします。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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