大腸癌で障害基礎年金2級を受給できたケース
この記事の最終更新日 2023年4月29日 文責: 社会保険労務士 大平一路
相談者 | 女性(50代)/無職 |
傷病名 | 大腸がん |
決定した年金種類と等級 | 障害基礎年金2級 |
年金額 | 年額約78万円 |
相談時の相談者様の状況
5年程まえに人間ドックで腫瘍が見つかり、受診をするように指導され総合病院にて検査した結果、大腸癌であることがわかり、手術を受けられ抗がん剤治療を継続されていました。
副作用がある中、仕事に復帰されましたが、思うように働くことができず、障害年金の申請を考えられ準備を進めておられました。大腸がんで余命宣告をされていたため、なるべく早く申請をしたいと思われ、いくつかの社会保険労務士事務所へ問い合わせした結果、当センターへご来所頂きました。
相談から請求までのサポート
現在の状況をお伺いしたところ、余命宣告されているなかでも生活のことがあるため収入を得る必要があり、会社に配慮していただきながら勤務を継続しているとのことでした。
相談者様は初診日に加入していた年金が国民年金であるため、1級か2級に該当しなければなりません。2級の基準は、原則として就労することができず、日常生活にも支障がある程度となります。現時点では会社に配慮いただいている部分はありますが、フルタイムで通常の勤務を継続しているため、受給は厳しいことをお伝えしました。
可能性は低くても申請は進めたいとのことでしたので、自覚症状や日常生活の状況、就労の状況を詳し くお伺いし、診断書の作成を病院に依頼いただきましたが、今の状態では就労も可能であり、日常生活についても大きな支障はないことから、障害年金の等級に該当する状態ではないことから、作成は難しいとの判断だったとお聞きしました。
しかし、数か月後に症状が悪化し入院を繰り返しており、仕事も退職されたため、今一度申請を進めたいとの連絡をいただきました。現在の症状や日常生活の様子を今一度お聞きし、診断書の作成から申請を進めていきました。いつでも申請できるよう準備をしていたため、短期間で申請することができました。
結果
無事に障害基礎年金2級が認められました。しかし、決定のお知らせをご本人様が知ることはありませんでした。相談に来られたときは、比較的お元気だったにもかかわらず、僅か数ヶ月で急速に悪化され、癌という病気の怖さを再認識しました。1日も早く申請できるよう、業務に精通していくとともに、治療法が確立することを願います。