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20歳前に初診日がある広汎性発達障害で障害基礎年金2級を取得、年額約80万円を受給できたケース

この記事の最終更新日 2026年10月27日 文責: 社会保険労務士 大平一路

相談者男性(20代)/無職
傷病名広汎性発達障害
居住地大阪府大阪市
決定した年金種類と等級障害基礎年金2級
受給額年額約80万円

この事例のポイント

  • 就職後まもなく出勤できなくなり、休職を経て退職した20代男性が、広汎性発達障害で障害基礎年金2級を取得しました。
  • 初診日が20歳前にあったため、20歳前傷病による障害基礎年金として請求しました。
  • 一人暮らしで食事の準備や掃除がほとんどできていない生活の実態を、ご家族の視点から整理して申請書類に反映しました。
  • 幼少期からの様子を、ご両親への聞き取りをもとに病歴・就労状況等申立書に記載しました。
  • 年額約80万円の受給が決定しました。

相談時の相談者様の状況

ご相談者は大阪市にお住まいの20代の男性です。幼少期からこだわりが強く、決まった手順が変わると強い不安を感じたり、友人と会話のやり取りを続けることが難しかったりする傾向がありました。学校生活でも集団になじめず、周囲とのトラブルが重なっていたそうです。

中学生の頃に登校が難しくなったことをきっかけに、ご両親に付き添われて児童精神科を受診し、広汎性発達障害と診断されました。その後もしばらく通院を続けていましたが、高校卒業の頃には通院が途切れていました。

専門学校を卒業後、一般企業に就職されました。しかし、業務の指示を正確に理解することや、職場の人間関係に対応することに大きな負担を感じ、入社から数か月で出勤できない状態になりました。改めて精神科を受診して休職しましたが、復職の目処は立たず、ご相談の時点では退職を予定されていました。

ご本人は実家を離れて一人暮らしをしていますが、ご両親とは折り合いが悪く、連絡も途絶えがちでした。ほとんど外出せずに自宅にこもって過ごしており、食事は買い置きのもので済ませることが多く、掃除やゴミ出しもできていないため、部屋の中はかなり乱れた状態でした。昼夜逆転の生活が続き、通院や役所の手続きも一人では進められない状況でした。

相談から請求までのサポート

ご相談は、当センターのホームページをご覧になったご両親からのお電話でした。息子さんが一人で自宅にこもっていることを大変心配されており、障害年金という制度で生活を支えられないかとのご相談でした。

初回面談では、ご両親がこれまでの受診歴を丁寧にまとめた資料をお持ちくださいました。最初に受診した児童精神科が20歳前であったことから、初診日(障害の原因となった病気で初めて医療機関を受診した日)が20歳前にある「20歳前傷病」として請求できる見込みであることをご説明しました。この場合、年金保険料の納付状況は問われませんが、初診日の証明は必要です。そのため、最初の医療機関で受診状況等証明書(初診日を証明する書類)を取得する手順をご案内しました。

あわせて、現在の日常生活の様子を詳しくお伺いしました。一人暮らしではあるものの、食事や掃除などの身の回りのことがほとんどできていないこと、外出や対人関係に大きな制限があること、復職の見通しが立っていないことから、精神の障害の認定基準に照らして2級に該当する可能性があると判断し、サポートのご依頼をいただきました。

ご本人は、診察の場でご自身の困りごとを言葉にして伝えることが難しい状況でした。そこで、ご両親から伺った日常生活の様子を、受診の際に参考資料としてお持ちいただけるよう整理し書面にまとめました。診断書が届いた後は、内容と申立書の記載に食い違いがないかを確認したうえで手続きを進めました。

発達障害による申請では、障害が幼少期から続いていることを示す経過の記載が重要です。ご両親に幼少期から学生時代、就職後に至るまでの様子を時系列で伺い、こだわりの強さやコミュニケーションの困難さが現在の生活の制限にどうつながっているかが伝わるよう、病歴・就労状況等申立書(これまでの経過を申請者側がまとめる書類)を作成しました。ご本人の負担を考え、書類の準備は主にご両親とのやり取りで進め、ご本人にお願いする手続きは最小限にとどめ申請を進めていきました。

結果

障害基礎年金2級を取得し、年額約80万円を受給できました。生活の基盤ができたことを、ご両親にも大変喜んでいただけました。

担当社労士からのコメント

発達障害による障害年金の申請では、幼少期からの経過と、現在の日常生活にどのような制限があるかを書類で具体的に示すことが重要です。今回は、ご両親が受診歴を丁寧にまとめてくださっていたことが大きな支えとなりました。ご本人が一人暮らしをされている場合でも、身の回りのことが十分にできていない実態があれば、それを丁寧に伝えることが大切です。ご家族からのご相談も多くお受けしています。おひとりで、またはご家族だけで悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。

同じ傷病で障害年金の申請をお考えの方へ

広汎性発達障害で障害年金を受給できる可能性があります。当センターでは、発達障害をはじめとする精神の障害について、これまで数多くの申請をサポートしてきました。大阪の障害年金のご相談はもちろん、兵庫・奈良・京都の障害年金のご相談にも対応しています。初回相談は無料で、お電話(06-6360-4023)、LINE、メールでお問い合わせいただけます。費用はご依頼内容により異なりますので、サポート料金をご確認ください。

よくあるご質問

広汎性発達障害で障害年金はもらえますか?

広汎性発達障害は障害年金の対象となる傷病ですので、日常生活や就労に著しい制限がある場合は、受給できる可能性があります。審査では、食事や身の回りの清潔保持、対人関係、金銭管理などの日常生活能力や就労の状況が総合的に評価されます。知的障害を伴わない場合でも対象となるため、ご自身の状況を慎重に確認することが大切です。

発達障害の初診日が20歳前の場合、障害年金はどうなりますか?

20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、20歳前傷病による障害基礎年金の対象となり、保険料の納付要件は問われません。20歳に達した日またはその後に障害認定日が到来するときはその日の障害の状態で審査されます。認定日に該当しなくても、その後に状態が悪化した場合は請求できる可能性があります。本人の所得による支給制限もあります。20歳前でも厚生年金加入中に初診日がある場合は、障害厚生年金の対象となります。

広汎性発達障害で障害年金は何級に認定されますか?

症状や日常生活の制限の程度に応じて、障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級から3級に認定される可能性があります。対象となる年金は初診日の加入状況などによって異なります。日常生活に多くの援助が必要な状態であれば、2級に認定される可能性があります。

広汎性発達障害で障害年金を受給した場合の金額はいくらですか?

障害基礎年金2級の年額はおよそ80万円台です。1級の場合は2級の1.25倍となり、要件を満たすお子さんがいる場合は子の加算額が上乗せされます。障害厚生年金は加入期間や給与額に応じて計算され、等級などに応じて障害基礎年金と併せて支給されます。年金額は毎年度改定されるため、最新の金額を確認することが大切です。

広汎性発達障害で働きながら障害年金を受給できますか?

働きながらでも受給できる可能性があります。障害者雇用や短時間勤務など、職場で配慮を受けながら働いている場合は、その配慮の内容や仕事以外の日常生活の状況も含めて審査されます。職場で受けている援助や困りごとを書類に具体的に記載することが重要です。

 

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投稿者プロフィール

大平 一路社会保険労務士
親族に知的障害を持つ者がおり、障害年金が家族の生活を支える大きな力になることを身近に実感してきました。複雑な手続きにハードルを感じる方々の力になりたいという想いから、当センターを設立しました。 専門家として一人ひとりの状況を丁寧に伺い、スムーズな受給に向けて全力でサポートいたします。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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