うつ病・強迫性障害で障害厚生年金2級を受給できたケース
この記事の最終更新日 2022年3月22日 文責: 社会保険労務士 大平一路
相談者 | 男性(50代)/無職 |
傷病名 | うつ病・強迫性障害 |
決定した年金種類と等級 | 障害厚生年金2級 |
年金額 | 年額約140万円 |
相談時の相談者様の状況
8年程前から仕事中に作業着の汚れが気になるようになり、次第にあらゆる汚れが気になり1日に何度も手を洗ったりするようになったそうです。
医師より強迫性障害の診断を受け、仕事中は汚ればかりではなく周りの環境にも敏感になり、次第に仕事に支障を来し人間関係も悪化してしまったということです。
通院していた病院にてうつ病の診断を受け、休職しましたが復帰することができず退職し、今後の生活について不安を感じ相談に来られました。
相談から請求までのサポート
当日、来所いただくことが難しいということでお電話にてお話をお伺いしました。
長年、同じ病院に通院されていましたので遡及も視野に入れてヒアリングを行いました。
初診日から1年6カ月後の時点ではうつ病の診断はされておらず、強迫性障害と診断されていました。強迫性障害は神経症であり、障害年金の対象となる傷病ではありませんので、当時の診断書を提出しても認められる可能性は極めて低い旨お伝えいたしましたが、少しでも可能性があるのであれば遡及の申請もされたいということでしたので、現在通院している病院の主治医に、当時と現状の2枚の診断書の作成を依頼しお手続きを進めていくことにしました。
出来上がった診断書を確認すると、現状の診断書の傷病名は「うつ病」でしたが、認定日頃の傷病名は、「強迫性障害」であり、精神病の病態も記載されていないことから、やはり遡っての請求は、まず認められない旨をお伝えしました。
日常生活の状況は、外出できない程の症状があり、就労も困難である旨診断書にご記載いただいておりました。現在の傷病はうつ病であり、以前より強迫観念があることによりうつ病を発症した経緯、強迫性障害によるところではなく、うつ病の症状によってどの程度就労や日常生活に影響を与えているのか、また、うつ病の症状により仕事を辞めざるを得なかった状況について重点を置いて申立書を記載し、申請を進めていきました。
結果
無事に障害厚生年金2級が認められ、年間約140万円の受給が決定し、大変喜んで頂けました。
なお、認定日頃は神経症である「強迫性障害」であったため、やはり障害等級には該当せず、遡及請求は認められませんでした。
しかし、ご本人様は「やるだけのことをやってダメだったので仕方ない。今後の年金が
受給できるのであれば本当にありがたい」と前向きにお話してくださり、とても嬉しく思いました。