自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級が認められたケース
この記事の最終更新日 2022年10月22日 文責: 社会保険労務士 大平一路
相談者 | 男性(30代)/無職 |
傷病名 | 自閉症スペクトラム |
決定した年金種類と等級 | 障害基礎年金2級 |
年金額 | 年額約78万円および一時金として約390蔓延 |
相談時の相談者様の状況
幼少期の頃からこだわりが強く対人関係をうまく築けず、一人で遊ぶことが多かったそうです。
学校ではトラブルになることが多く、通学することができなくなったため心配したご家族に付き添われ小学生の頃に精神科を受診されました。投薬やカウンセリングで治療をしてこられましたが、教室まで行けず保健室登校になっていました。
その後、別の病院に転院され発達検査をすすめられた結果、自閉症スペクトラムであることがわかりました。
中学校卒業後は高校に進学されましたが、周りに馴染むことができず数か月で休学し、復学することなく退学され、その後は自宅に籠り勝ちの生活を送られていました。
障害年金の事を知ったご家族が手続きを進めておられましたが、初診の病院でカルテが破棄されており、どのように進めていけばよいかわからなくなったことで、当センターにご連絡頂きました。
相談から請求までのサポート
当日、ご本人の外出が難しく、ご家族の方に代理でお越しいただきました。
お話をお伺いすると、1件目の病院にはご家族も一緒に受診されており、ご家族の診察券が残っていたので大体の日付がわかるという状況でした。2件目の病院には長く通われていましたが、終診日からはカルテ保管期間の5年が過ぎている状態でした。1件目の病院で受診状況等証明書が取得できない場合は、2件目の病院で取得していただく必要があります。
このご相談者様の場合、2件目の病院の初診が中学生の頃であったため、こちらで初診日の証明ができれば、1件目の証明が取得できなくても申請することができます。しかし、ご家族は1件目の病院でカルテが破棄されていたこともあり、2件目の病院も残っていないのではないかと不安になっておられました。
30年前のカルテが残っていた事例があったため、残っている可能性はあるとお伝えし、
ご家族にカルテの有無を確認していただいた結果、「カルテが残っている。20歳の頃の診断書も書けます」と連絡があったそうです。
早速診断書の作成を依頼していただき、発病から現在までの状況についてヒアリングを行い、申請を進めていきました。
結果
無事に障害基礎年金2級の受給が決定し、5年分の遡りも認めていただくことができ、一時金として約400万円が入金され、大変喜んでいただけました。
カルテの保管期間は5年とされていますが、病院によっては昔のものを残してくれているところもあります。5年過ぎているからとあきらめず、まずはご確認していただいたほうが良いと感じました。