うつ病で障害厚生年金2級を受給できたケース
この記事の最終更新日 2026年3月14日 文責: 社会保険労務士 大平一路
| 相談者 | 女性(30代)/就労継続支援A型 |
| 傷病名 | うつ病 |
| 決定した年金種類と等級 | 障害厚生年金2級 |
| 年金額 | 年額約180万円 |
相談時の相談者様の状況
相談者様は30代の女性で、ご相談時にはA型就労継続支援事業所(以下「A型作業所」)に通所されていました。A型作業所は、一般就労が難しい障害のある方が雇用契約を結び、軽作業などを行いながら就労訓練を受ける福祉サービスです。相談者様も生活リズムを整えるため、日々通所を続けておられました。
精神的な不調の始まりは、約20年前にさかのぼります。当時は社会人生活を始めたばかりの時期で、環境の変化によるストレスに加え、身体疾患による入院治療が重なったことで、次第に気分の落ち込みや不安感といった精神的症状が現れるようになりました。退院後は心療内科を受診し、うつ病と診断され、以降も通院治療を続けてこられました。
その後の療養生活の中では、転居や転職など生活環境の変化があり、その都度通院先の医療機関も変わっていきました。複数の医療機関に通院されたことで診療情報が分散し、長期の治療経過を一つの医療機関で確認することが難しい状況となっていました。長く治療を続けているものの症状には波があり、体調の良い時期と悪化する時期を繰り返しながら生活されていました。
障害年金という制度については、A型作業所に通所するようになるまでご存知ではありませんでした。作業所の職員や利用者との会話の中で制度を知り、「自分も対象になるのだろうか」と考えるようになったことをきっかけに、当センターへお問い合わせくださいました。
日常生活では、家事全般を行うことが難しい日も多く、外出時には強い不安や疲労感が生じるため、単独での外出が困難な状況でした。対人関係にも大きな負担を感じやすく、就労についても福祉的支援のあるA型作業所という環境の中で、ようやく継続できている状態でした。
相談から請求までのサポート
初回のご相談は、当センターへご来所いただく形で行いました。これまでの通院歴や発症の経緯、現在の生活状況などについて、時間をかけて整理しながらお話を伺いました。
その過程で、約20年前に身体疾患の治療のため内科へ入院していたことがわかりました。当時、入院という慣れない環境や先の見えない不安の中で精神的に追い詰められた状態となり、担当医に精神的なつらさを訴えていたという経緯があったとのことでした。退院後も精神的な不調が続いたため、改めて心療内科を受診し、うつ病の診断に至ったという流れでした。
障害年金の手続きにおいて、「初診日」の特定は非常に重要です。初診日とは、障害の原因となった病気について初めて医師の診察を受けた日を指します。この日付を基準として、年金保険料の納付状況の確認や、受給できる年金の種類(障害基礎年金または障害厚生年金)が判断されます。
当初は、退院後に通院を開始した心療内科を初診として手続きを進めることを検討しました。しかし発症から約20年が経過しており、当該医療機関ではカルテの保存期限(一般的に5年)を超えていたため、すでに廃棄されていることが判明しました。そのため、初診日を客観的に証明できる資料が残っていない状況でした。
そこで入院当時の状況をさらに整理したところ、入院中に精神的な不安を訴えていたとのことでした。この病院は、風邪等の不調時に最近まで何度か診察していたからか、20年以上前のカルテも残っていることが分かり、「受診状況等証明書」の取得を依頼することになりました。
受診状況等証明書は、初診の医療機関が作成する書類で、受診日や受診科、主訴、診断内容などが記載されます。障害年金の請求において、初診の医療機関にカルテが残っている場合に取得が求められる重要な書類です。依頼にあたっては、入院時の経緯や精神症状の経過を整理した資料を準備し、病院側が状況を把握しやすい形で申請を行いました。
後日取得した証明書を確認したところ、入院中に精神的な不安を訴えていたことや、抗不安薬が処方されていたことなどが記録された内容となっていました。受診科は内科でしたが、精神症状に対する対応も行われていたことから、この内科での受診日を初診日として手続きを進めることとなりました。
次の段階として、現在の主治医に診断書の作成を依頼しました。障害年金請求における診断書は、日常生活能力や就労状況、精神症状の程度などを医師が評価する書類であり、審査において重要な役割を持ちます。
しかし、現在通院している病院は相性が悪く、医師との会話に苦手意識があり、転院を考えておられました。こうした事情を踏まえ、相談者様ご自身の意向により、過去に通院経験のある医療機関の中で「自身の状態を理解してもらいやすい」と感じていた病院へ転院することとなりました。
何度か通院した後に診断書を作成いただいた後、病歴就労状況申立書を作成し、手続きを進めていきました。
結果
内科での受診が精神疾患の初診日として認められ、障害厚生年金2級(年額約180万円)が決定しました。
長年体調の波と向き合いながら生活されてきた相談者様にとって、今回の結果は大きな安心につながるものとなり、大変喜んでおられました。
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投稿者プロフィール
- 社会保険労務士
- 親族に知的障害を持つ者がおり、障害年金が家族の生活を支える大きな力になることを身近に実感してきました。複雑な手続きにハードルを感じる方々の力になりたいという想いから、当センターを設立しました。 専門家として一人ひとりの状況を丁寧に伺い、スムーズな受給に向けて全力でサポートいたします。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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