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自閉症スペクトラム障害で障害厚生年金2級を受給できたケース

この記事の最終更新日 2024年6月11日 文責: 社会保険労務士 大平一路

相談者女性(50代)/就労移行支援通所中
傷病名自閉症スペクトラム障害
決定した年金種類と等級障害厚生年金2級
年金額年額約111万円

相談時の相談者様の状況

物心ついた頃から現在まで、仕事や対人関係がうまくいかず、生きづらさを感じてはいましたが、生活していかなければならないため、一般就労を続けながら、何とか通常の社会生活を営んできました。

しかし、2年ほど前から精神的に落ち込むことが増え、出勤することが大きな負担となり、気力ない状態が続いたため精神科を受診したところ、就労の継続は困難との診断を受け、いったん退職し療養に専念することとなり、その後、就労移行支援に通いながら、復職の道を模索されているという状況でした。

もし障害年金が受給出来れば、今後の就職活動の方向性も変わってくるとの事で、就労支援施設を利用しながら障害年金の申請をすることとなりました。

相談から請求までのサポート

納付要件の確認は滞りなくすすんでいきましたが、診断書を取得してみると、20年以上前に精神科に通院をされていたことが記載されていました。

そこで、20年以上前に通院をされた精神科で受診状況等証明書を取得しようとしましたが、すでに廃業しており、初診の証明をすることが出来ない状況でした。

改めて、これまでの病歴をヒアリングしたところ、20年以上前に通った病院と、現在通っている病院の間で通院を停止した期間は5年を超えており、その間には通院歴はありませんでした。

通院により完治し、その間就労もしており、精神疾患の症状はなく、通常の社会生活を送っていたとの事でした。そのため、社会的治癒を主張し、初診日は20年前ではなく、2年前であることを申し立てて、申請を行いました。

結果

無事社会的治癒が認められ、初診日は2年前となり、障害厚生年金2級を受給することができました。

自閉症スペクトラム障害のような発達障害は、その障害の特性上なかなか社会的治癒が認められる事も少ないのですが、長年一般就労も続けていたことで、社会的には治癒している状態であったことを認めていただくことが出来たのではないかと思います。

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